大阪のホテルの期待利回り
「公益社団法人大阪府不動産鑑定士協会」による、半期に一度の恒例の「大阪圏エリア別不動産利回り調査」の結果が出ました。
大阪のホテルの期待利回り調査の結果は「5.09%」でした。
同協会による、大阪のホテルに対する期待利回り調査は「今回が初めて」です。
大阪のホテルの「期待利回り」としては「梅田エリアのレジデンス(住居系)と同水準(5.09%)」という「以外な結果」となりました。
一般的にホテル事業は、「収益のボラティリティが高く」、得てして「投資家の求める期待利回りも高い」という以下の公式が成り立つのですが、今回の調査では同水準ということで、成り立ちませんでした。
「ボラティリティ・高」=「期待利回り・高」
今回の調査結果から判明したことは、現在、大阪の不動産の購入を検討されている投資家の多くが、大阪のホテルのマーケット(収益性)をレジデンスと同じくらい「安定的」とみなしているということです。
ホテルの場合レジデンスと違い、旅行客の増減等による様々なリスクがあり、安定的な事業とはみなされないことが多いにもかかわらず、このような結果となりました。
また、これらのリスクを織り込んだうえで、「大阪のホテルの期待利回り」が「梅田エリアのレジデンスと同水準」の投資であると判断する為には、「将来収益が更に(現在よりも)伸びる」と考えなければ投資価値は余りありません。
大阪のホテルの「需要面」
今後の見通しとして、大阪のホテルの「需要面」は、大きなイベントリスクが無い限りはホテル需要は堅調に推移することが予想されています。
また、「供給面」は、ホテルの開発競争が大阪市内の中心部(キタ、ミナミ、等)を中心として激化しています。
現在までに建設が計画されている客室数は、既に市場の予想を上回っており、「ホテルの供給客室数」と「訪日外客数」のバランス動向には、今後も注目する必要があります。
※調査実施時期は平成28年6月~平成28年7月、有効回答数は大手不動産会社、電鉄会社、金融機関など約47名へのアンケート調査の結果です。
※調査想定建物は「西心斎橋」の「築3年以内」の「ビジネスホテル」で、「客室数150〜200室」、「平均客室単価(ADR)7,000〜10,000円」、「客室稼働率(OCC)80%以上」としています。