民泊運営は魅力的な副収入?
「あなたも民泊で副収入を稼げる!」というタイトルがサラリーマンの関心をかうこの頃。
お昼のコーヒー代を出すか出すまいかで悩むサラリーマンにとって月数万円の副業はとっても魅力的です。
新生銀行が発表した「2016年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員のお小遣いは月に37,873円が平均です。女性会社員は少し減って33,502円となっています。
お昼代に限ると、1度のランチに使うお金は、男性会社員の平均587円に対して女性会社員の平均は674円。
女性の方が多くなるという結果になっています。
一方で、コーヒー代をけちるサラリーマンの寂しい懐事情も明らかになっています。
民泊で見込める収入はどのくらいなのか?
自分の部屋を貸し出して収入を得る民泊。はたしてどれくらいの収入が見込めるのか。
世界民泊最大手のAirbnbが発表した「日本におけるホームシェアリングに関する活動レポート」によると、ホストの年間収入の平均は122万円となっています。
月にすると約10万円の売上です。
月のお小遣いが3万5千円ほどのサラリーマンにとって月10万円の収入は大変な魅力です。
「自分も民泊に挑戦しよう!」と考える人が続出するのであろう、都内で開かれる民泊に関するセミナーはどこも盛況ですが、果たして本当に利益が出せるのでしょうか。
民泊で利益を得られる条件とは?
収入が発生するなら経費も発生すると考える事が必要です。
この点については、自分の住んでいる家の部屋を民泊として貸し出すのか、それとも、民泊のため新たに借りた(もしくは購入した)部屋を民泊として貸し出すのかによって大きく変わってきます。
前者のように自分の住んでいる家の空き部屋を有効活用するのであれば、民泊のために要する経費は僅かですが、一方で後者のように民泊のための部屋に経費が発生する場合は、多くのリスクと落とし穴が潜んでいます。
・スタートはしたがそもそも違法民泊なため、管理組合や周辺住人により禁止された
・備品などを壊されてしまった
・代行業者に支払う手数料が高く赤字
・物件の仲介会社やコンサルタントに多額の手数料を支払い、黒字化出来ない
現状、民泊を合法的に行うには、特区で合法的に行うか、旅館業法に則り旅館として投資するかの2択になります。
しかし、視点を周辺ビジネスにも広げていくと、また違った投資スタイルが考えられます。
民泊で儲けを出す方法とは?
民泊を総合的に考えると、実は儲けを出す方法は今のところ、3通りしかありません。
- 違法民泊でも気にせず、周辺住民からのクレームも気にせず、リスクを取りガンガン運営してしまう人(外国人に多い傾向)
- リスクを投資家に背負わせて周辺ビジネスに徹する人(仲介業者、清掃業者など)
- 旅館業法に則り、事業を拡大してホテルビジネスの延長で行う企業
つまり、民泊は違法を気にしない人と、リスクを投資家に背負わせる人が儲かるともいえるのです。
はっきり言えば、普通の日本人にはいずれも難しい内容です。
日本人の多くは、違法・グレーであることを気にして運営出来ないと思います。
また、不動産は想像よりも遥かに多くのリスクを背負います。
火災、住民トラブル、器物破損、事業運営リスク、業者に騙されるリスクなど。
かと言って旅館業法に則り、何十物件も運用することは個人には出来ません。
事業規模になれば、それだけリスクも膨れ上がります。
民泊をうまくやる方法とは?
前述のように書くと、結局民泊は儲からない、個人ではそうそう出来るものではないと思われると思います。
とはいえ、まだ他にも新しい投資手法は存在します。
そもそも民泊ビジネスというのは、宿泊したい需要と、部屋を貸し出す供給量との鞘を抜き、最適化をするビジネスです。
需要と供給さえあればビジネスが生まれます。
では民泊における需要と供給は他にも無いだろうか?と考えるとまだまだ投資の余地があります。
例えば民泊をすでに行っている方の悩み・希望(つまり需要)は、稼働率を上げたいという事です。
そして、まだ民泊を行っていない方の悩み・希望は、投資したくても合法物件が無い、高い、運用のリスクが怖い、などです。
ここで考えられる一つの投資手法は、「空いている宿泊物件の枠に対して、独自の集客を行ない客付けをする、マーケティングをする」事で、その鞘を取る、という投資が考えられます。
例えば稼働率が50%程度の物件があったとして、通常1泊1万円する所を、1泊5000円などで買い取ります。そしてそれを5000円以上で宿泊希望者を探して売る、というビジネス、マーケティングです。
旅行代理店が行う事と基本的には同じですが、何も旅行代理業として行う必要はありません。Airbnbが行っているように、空き部屋に対して旅行者を供給する、という事です。
このビジネスであれば、例えば20万円もあれば40泊の権利を得られます。1泊8000円で売り切れれば12万円の利益、万一1つも売る事が出来なければ20万円の損失です。
通常、賃貸物件でAirbnbを行う時は、必ず数十万円の損金が発生します(仲介手数料・礼金・設備費用・稼働までの家賃など)。実は賃貸民泊もかなりのリスクが存在しているわけです。
それに比べれば、前述のような民泊物件の空き部屋に宿泊者を独自に供給するという不動産投資ビジネスは、少額から行えて、上手く行けば短期間で倍の利益を生みます。
最悪ご自身が長期利用したいようなリゾート物件・特殊物件だったらどうでしょうか?
一泊も売れなくても損を全くしません。
では実際にどのようにすれば宿泊枠を買い取れるのか、また旅行客を斡旋できるのか、については新しいビジネスになりますので、是非皆様も考えてみて下さい。
何れにせよ、もはや民泊ビジネスは不動産業・サービス業の大変な所を凝縮したようなビジネスになってしまっています。
なるべく新しい視点で、新しいビジネスモデルを考えるようにしてみて下さい。