シンギュラリティ
シンギュラリティ(Singularity)というのは、「特異点」という意味です。シンギュラリティの「特異点」をいつ迎えるかということについては、米国のコンピューター研究者であるレイ・カーツワイル氏が、著書『The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology』中で、2045年と予言しています。シンギュラリティは人類における最大のパラダイムシフトとも言われています。
パラダイムシフト
パラダイム(paradigm)とは、一時代や分野において強い影響力を持つ社会全体の価値観や思想です。もともとは科学分野の言葉であり、天動説や地動説などがわかりやすい例です。このような考え方が時代の変遷とともに革命的にまたは劇的な変化を起こす事があり、このような大きな変化のことをパラダイムシフトと呼びます。
第4次産業革命
第1次産業革命では、家畜に頼っていた労力を蒸気機関など機械で実現、第2次産業革命では、内燃機関や電力で大量生産が可能となり、第3次産業革命では、コンピューターの登場でデジタルな世界が開き、IT・コンピューター・産業用ロボットによる生産の自動化・効率化が進展、第4次産業革命は、現在進行中で様々な側面を持ち、その一つがデジタルな世界と物理的な世界と人間が融合する環境と解釈されています。
具体的には、あらゆるモノがインターネットにつながり、そこで蓄積される様々なデータを人工知能などを使って解析し、新たな製品・サービスの開発につながっていき、IoT、AI等がけん引するなど極端な自動化の進化による産業革新です。
また、インターネットを運用するための膨大な電力の消費にも注目されていて、サステナビリティと産業革命を両立させるための様々な再生可能エネルギーにも議論が及んでいます。
参考:「第4次産業革命がもたらす 第3章 変革」、総務省、2018年1月31日に参照
AI(人工知能)
コンピュータを使って、学習、推論、判断など人間の知能の働きを人工的に実現したもの、
または人間の脳が行っている作業をコンピュータ上に表現するために必要な技術や考え方の総称。
あくまで人間の脳の一部の機能であり、脳のすべてのことができるわけではない
人工知能のフェーズ
- レベル1:制御プログラム
家電製品などに多く使用されているレベル。
マーケティング的にAIと称されている - レベル2:古典的な人工知能
対応パターンが多く、多彩な動作や判断が行える
ゲームのAIなど - レベル3:機械学習を取り入れた人工知能
ビッグデータから対応パターンの学習を行う
パターン認識、ビッグデータ解析に使用される - レベル4:ディープラーニング(深層学習)を取り入れた人工知能
対応パターンやその判断自体を人工知能自身が学習する
画像認識、音声認識などに用いられる
アルゴリズム
問題を解決するパターンを規則化したもの。またはタスクを実行するための数式、または一連の規則。
従来のコンピュータでもアルゴリズムを利用して人間がプログラムを作り、利用してきました。
AIでは、主に規則や基本的なパターンを学習の際に使って、より複雑な答えをAI自身が導き出しています。
2045年問題
米国の学者であるレイ・カーツウェルが予測した2045年に「人工知能が人を超える」という問題。
これにより人工知能がさらに高い知能をもつ人工知能を開発し、人間の予測が追いつかない域に到達するのではないかと考えられています。また、その域に達したとされる瞬間を技術的特異点(シンギュラリティ)は呼ばれています。
強い/弱いAI
弱いAIは、「ある行動に対して次の行動をする」のようにパターンを追加することで多彩な動きを与えることのできるAI。しかし、決まった行動しかとることができないため特化型AIとも呼ばれています。
強いAIは、弱いAIと異なり人間と同等の思考が可能なAIで汎用型AIとも呼ばれています。
機械学習
機械学習とは、データからAIを使って対象データを識別し、反復的に学習し続け、学習対象に潜むパターンを見つけ出すこと。これにより大量のデータ(ビッグデータ)の解析を行うことができそのデータから未来の予測などが立てられるようになり、金融・マーケティング・医療・交通など幅広い分野で活用されており検索エンジンや自然言語処理、FinTech、ゲノム解析にも使用されています。
教師あり/教師なし学習
教師あり学習は(教師が)問題と答えを(助言を与えるように)セットで教え、パターン化して保持しています。
未知の入力データがあっても過去のデータの差異からデータの規則性を元に分類などを行い出力を割り出し
未来のデータを予測するために役立つものです。
これに対し、教師なし学習は、ある問題に対して答えを与えずに学習させることにより
解き方を学習させることでデータの対処方法を学ばせることです。
ディープラーニング(深層学習)
ディープラーニングは機械学習を複雑化したもので、特に、人間の脳の神経回路から着想を得た「ニューラルネットワーク」をベースにした手法。回路の中間部分を3層以上の多層構造から構成する事で、対象となる学習データの特徴を多段階的により深く学習します。
機械学習のみでは人間が手動で特徴の検出を指定していましたが、ディープラーニングでは人間が関与することなく学習を進められ従来困難だった顔認識や自然言語処理などの処理をより簡易に行うことができるようになりました
ニューラルネットワーク
人間の脳の仕組みを模倣(ニューロンを模倣)したシステムをコンピュータ内に実現し
コンピュータに学習能力を持たせる仕組みです。様々な問題を解決するためのアプローチ。
ニューロン
神経細胞のこと。人間の脳にはこのニューロンが大脳で数百億個、小脳で1000億個、脳全体では千数百億個という研究があり、神経伝達物質を介して電気信号の入力と出力をやりとりする特殊な細胞。
人間は複雑な思考や様々な行動をこのニューロンを介して行っている。
シナプス
ニューロン同士の繋ぎ目のこと。その結合間では電気信号を化学物質に変換しており、電気信号が一定量を超えると「発火」し、次のニューロンに信号を伝えている。
ビッグデータ
莫大な量を誇るデータの集合体のこと。人工知能はインターネットに蓄えられたこのデータを学習材料として分析し、知識として使用します。
loT
Internet of Thingsの略で「モノのインターネット」と呼ばれています。
スマートフォンやパソコンを介さず、あらゆるモノがインターネットに繋がることでビッグデータが今現在より多くのデータが蓄積されるようになり、それがAIによって分析されていき、これにより様々な活用がなされ便利性・効率性・売上などが大きく向上することが期待される仕組みです。
チャットボット
「チャットボット」とは、「チャット:文字入力による会話」と「ボット:(ロ)ボット、自動実行プログラム」という言葉による造語でテキストや音声を通じて会話を自動的に行うプログラムのことです。
近年OSやWebサービスなどの様々なプラットフォームで導入されてたり、開発作成する環境もそろってきており、問い合わせやサポート業務などの自動化に期待されています。
ワトソン
ワトソン(英語: Watson)は、IBMが開発した、自然言語処理と機械学習を使用して、大量の非構造化データから言語を理解・学習し人間の意思決定を支援するプラットフォーム。『人工知能』と紹介されることもあるが、IBMはAIを「Augmented Intelligence (拡張知能)」として人間の知識を拡張し増強するものと定義し、ワトソンを、『認知型コンピューティングシステム(Cognitive Computing System)』、と定義している。
エキスパートシステム
エキスパートシステムは人工知能研究から生まれたコンピュータシステムで、人間の専門家(エキスパート)の意思決定能力を模倣し、専門家のように知識(ルールベース、知識ベースとも言う)についての推論によって
問題を解いていく。人工知能分野のソフトウェアとして最初に商業的に適用され、成功を収めた
パターン認識
人間や動物は五感から得られる情報をパターンとして記憶しています。
パターン認識とは,このようなパターンをあらかじめ定められた複数の概念のひとつに分類できることです.
例としては、人間は目で見ているものが何であるかや、写真や実際の人物を見て誰であるかがわかります.
普段使っている言語を耳で聞いたら意味が分かり、匂いから何の料理かをわかったりします.
自然言語処理
コンピュータに私たちが普段話しているような言葉を理解させることで、人により近い形に処理を施すことです。
画像認識
入力された画像データから物体や人間の顔などを認識したり、様々な画像処理をすることができる機能の総称
音声認識
音声を認識して文字にする機能や話している人が誰かを認識する機能の総称