逓増定期保険とは
逓増定期保険とは,契約当初の保険金額が保険期間中に増加していく保険です。
1000万の死亡保険金が保険終了満了前には5000万になっているイメージです。通常の終身定期死亡保険は1000万の保険金額を設定したらその額が続きますが、逓増定期は最大5倍まで増加するしくみとなっています。
この保険金額の設定方法ですと、途中で解約した時でも早い段階で返戻率が高くなるメリットがあります。また、契約者の年齢や加入内容にも関係してきますが、掛け金の約半分が損金として処理できるのもメリットです。
この掛け金が損金処理出来る事と、早い段階で解約した時の返戻金が高率になる特性を活かして、法人が節税対策に利用する事が多いのがこのタイプの商品です。
利益が大幅に出て、何も対策をしなければそのまま法人税を支払わなければならない時に、例えば年払いで500万の保険料を支払えば、その半分の250万は経費として処理する事が可能です。
合法的に節税をして、貸借対照表には記載されない資金を、保険会社に預ける形をとる事で、簿外資産を作ることができます。基本的には万が一の為の生命保険ですので、経営者の死亡に伴う死亡退職金の原資としても利用出来ますし、経営者の死亡や後遺障害などで資金繰りがピンチになった時に、ここからまとまった資金を利用出来るので経営の立て直しにも使えます。
但し、注意しなければならないポイントは解約返戻率のピークが5年程度できてしまう点です。その時に、保険金の出口の処理方法を考えていなければ解約返戻金を受け取ったはいいものの、そこにまた課税となるので意味がなくなります。解約返戻率もピークを越えると下がっていきます。
解約するタイミングが遅くなると返戻率が80%、70%と下がってしまいますので、解約時期を契約時にイメージしておく事と、返戻金の受け取り時の具体的な処理方法を検討してから加入する必要があるのがこの保険です。
逓増定期保険は、保険会社や商品によってかなり設計が異なります。税制的にも損金の割合その他、多種多様に異なりますので、習熟した保険代理店に相談する事が必要です。